黒字倒産はなぜ起こる?
こんにちは、東京千代田区の都丸税理士事務所の代表税理士都丸です。
当事務所では、会社設立、創業支援、創業融資等、会社経営に関わる様々なサポートを実施しています。
本コラムでも取り上げたことがありますが、決算書には種類があります。
そして、決算書の一つである損益計算書の上では黒字の状態であるにも関わらず、資金繰りの関係で法人が倒産してしまうことがあります。
これがいわゆる黒字倒産というものです。
黒字なのに会社が倒産してしまうのは、不思議な現象に思えるかもしれませんね。
今回はこの黒字倒産がなぜ起きるのかについてお話しさせていただきます。
【黒字倒産はなぜ起こる?】
「倒産」とは、返済しなければならない債務の返済ができず、会社の経営が行き詰まってしまった状態をいいます。
では「黒字倒産」とはどのようなことをいうのでしょうか?
黒字倒産とは、 「損益計算書上では黒字であるにもかかわらず、企業が倒産してしまうこと」 をいいます。
損益計算書では、その事業年度の収益から費用を差し引いた利益を計算することができます。
損益計算書を見れば、その年一年間(これを事業年度といいます。)でどのくらいの利益が出たかがわかります。
損益計算書上では黒字で利益が出ている状態なのに、黒字倒産が起こる理由は、 「会計上のお金の動き(損益計算書)と実際のお金の動きが違う」 ということが関係しています。
つまり、会計上では「売上」として計上されていても、実際の入金は1ヶ月から3ヵ月後という場合があるということです。
そして、この現金が入ってこない期間に、費用の支払いなどで資金繰りが困難になってしまう、いわゆる資金繰りが厳しい状況が、黒字倒産につながるというわけです。
どんなに黒字の企業であっても、資金繰りが悪ければ倒産してしまいます。
つまり、倒産の分かれ目は、
「利益を出した金額」ではなく
「現時点で手元にお金がどれだけ残っているか」なのです。
黒字倒産しないためには、 経営者がお金の流れ(=キャッシュフロー)をしっかりと理解することが重要だということ、 ご理解いただけましたでしょうか。
【キャッシュフロー計算書の重要性】
現在、キャッシュフロー計算書の作成・開示を求められているのは、株式公開企業のみですが、中小企業をはじめとする未公開企業でも自主的に作成している会社が増えてきています。
金融機関等からの借り入れの際、キャッシュフロー計算書の提出を求められることも多くなりました。
今後は、経営状況を把握するためにも、不可欠な決算書と位置付けられることと思います。
【まとめ】
損益計算書において利益が出ているかではなく、実際のキャッシュの収支が黒字になるように管理することで、黒字倒産を防ぐことができます。
経営者がしっかりとお金の流れを理解し、早め早めの対策をとれるかどうかが、会社の危機を乗り越えられるかどうかの分かれ目といえるでしょう。
会社設立して間もないという方は、特にいろいろな疑問や不安もあると思います。
安心して、何かご質問等ありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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